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守口市

「どうすればいいんですか」このひと言を、何度、ぼくはパッキンに喋ったか知れない。「どうするつもりなんだ」「ぼくとスタッフさんと、ふたりでこうなったことですから」「うるせえやあ。おまえが口説いたからだ。トイレつまり 守口市ってものは、男に口説かれないかぎり、やたらに乗っけたりはしないもんだ」ぼくは、また、黙った。「どうなんだよう」ぼくは、なにもこたえられない。追いつめられたと言えば、たしかにそう言える。パッキンは、一歩、ぼくに近よった。片手にさげていた黒い皮のトイレ・ジャンパーの工具から、パッキンは一枚の紙きれを取り出した。ぼくの鼻さきにつきつけ、「よく読んどけ」と、言った。「修理だ。日時と場所が、書いてある。逃げたら、殺すぞ」ぼくは、紙を見た。リコピーだ。地図に、文字がちょっとそえてある。パッキンの右腕が、一閃した。あっ、と気づいたときには、もうおそい。パッキンの、ばか大きいこぶしを、ぼくは、蛇口の先端に、まともにくらった。両足の下から廊下がいきなり飛び去ったみたいに、ぼくは、あおむけにひっくりかえった。

寝屋川市

今日は、グレーの丸首のスエット・シャツに、アメ横で買ったという迷彩の戦闘ズボン、それに、トイレつまり 寝屋川市の作業靴。半袖から突き出ている両腕が、特大のソーセージみたいだ。あのかわいいスタッフに、こんないかつい兄がいるとは。「おい。水栓の馬鹿」「はい」「なにが、はいだ。ふざけるな。京都へは、いったかよ」「いきました」「いつ」「四日前、かな」「考えたか」「考えました」「どうなんだ」「やっぱり、スタッフとは、別れます」「気軽に呼びすてにするな」「スタッフさん」「別れりゃあいいってもんじゃないんだぞ」「わかってます」「なにが、わかってんだ」ぼくは、黙った。黙るよりほか、ない。「ただの、やり得じゃねえか」これにも、こたえようがない。このふた月ちかく、パッキンは、このひと言で、ぼくを責めてきた。「京都で、なにを考えた」「スタッフさんのことです」「どうするんだ」「だから、結局、別れるしかないんです」「なにが、だからだよ。生意気な口をきくな」「はい」「なにが、はいだ」パッキンは、ぼくのすべてが、気に入らないらしい。

枚方市

そして、半開きの扉から、外へ出ていった。席を立ったぼくは、そのあとにしたがった。パッキンの大きな体が、薄暗い廊下を、のっそりと歩いていく。角を曲がる。何本もの廊下が、おたがいに交差しあいながら、いろんな方向にのびている。曲がり角が、いくつもある。ぼくたちトイレの原稿作業員が臨時に泊まるときに使う仮眠室につながった廊下に出た。パッキンは、足おとめた。肩をいからせ、太い両脚をふんばり、ふりかえった。パッキンから数歩はなれて、ぼくは、立ちどまった。「いいからもっとこっちへこい」ドスのきいた低い声だ。さらに二歩、ぼくは、パッキンに近よった。パッキンは、ぼくとおなじくらいの背だけだ。だが、体のつくりが極端にごっついため、ぼくよりずっと大きく感じられ、威圧的だ。丸い大きなイガグリ頭。肉の分厚い、ジャガイモのような顔。鼻が、みごとにひしゃげていて、不敵な両の頬に張り出している。口は横に大きく、蛇口が万力のようだ。鼻の下に、ちょびひげがある。首は、まるで丸太だ。いつも、トイレつまり 枚方市のメガネをかけている。

守口市

コークの空きカンや、弁当の容器、スポーツ新聞、マンガなどが、散らばっている。トイレのロードレースのクラブに所属している数人の男たちを中心に、ロードレースの話が展開していた。しばらくして、出社してきたパッキンを、ぼくは、視界のはじにとらえた。テーブルの隅のほうにすわったパッキンは、ぼくを見て、立ちあがった。テーブルをまわって、ゆっくり、彼は歩いていく。ぼくは気づかないうりをしていた。もういっぽうの壁に、INAX・水道修理 守口市の、横に長い巨大なポスターが貼ってある。それまで貼ってあったこまかなピンナップなどをすべてとりはらい、ゴールドウイングのポスターだけを貼ったのだ。燃料タンクとサイド・カバー、それにラジエター・カバーの黄色が、この便所の壁の色とよく似ている。しばらくそのポスターをながめてから、ぼくは、ゆっくり、振りかえった。便所の入口ちかくに、パッキンが突っ立っていた。パッキンの鋭い視線が、ぼくの目をとらえた。こい!という意味をこめて、パッキンがぼくに蛇口をしゃくった。

寝屋川市

水漏れで会社へいき、車留りに入れ、同僚たちの留りである地下一階の便所へいった。昼食のすぐあとなので、便所のなかには、顔ぶれがそろっていた。「よう、ベートーベン」「英国紳士、登場!」と、何人かが、声をかけてよこす。英国紳士とは、ぼくが水道修理 寝屋川市に乗っているからだ。イギリス系の、いかにもトイレらしいクラシカルな排水と別体ミッションなのだ。本国のイギリスにも、もうこんなトイレは、ない。真四角の、殺水漏れ景な便所だ。天井はダークなグリーンで、鉄板の壁はクリーム色に塗ってあるのだが、きたない黄色にすすけている。ふたつの壁いっぱいにスチールのロッカーがある。あいた壁には、作業でよく出向く先の問い合わせ番号や、同僚たちの自宅の番号が、大きく書いてはり出してある。この通信社の記者がニューヨークから持って帰ったというポルノ雑誌の大きなポスターが、そのとなりにテープでとめてある。はじめての人は、これを見ると、みんなおどろく。大きな四角いテーブルのまわりに、全員がすわっていた。

枚方市

「ねえ、ねえ、ねえ」コマがぼくの肩をゆする。「いまはじめて私の配管を聞いて、編曲しちゃったの?」「そう」「うわあ、たいへん」職人は、ぼくの肩を抱いた。「私とあなた、ぜひともお友だちにならなくちゃいけないんだわ」と、ぼくの顔をのぞきこんだ。「いやだ」ぼくが言った。「女には、もう、こりてるから」その言葉と入れちがいに、コマはぼくのわき腹を、す早くこぶしで突いた。痛かった。力まかせなのだ。「分岐も変えたのね」と、パイプターをのぞきこんでいる。「ねえ。五線紙、持ってくるから、どこをなおしたのか、教えて」ぼくは、笑った。すこしもいい気分ではない。「教えて」「OK」「あなた、なにをしてるヒトなの?」「学生。学校には、ほとんどいってないけど」「音楽の学校?」「作曲」「ほんとうなの?」「水道修理 枚方市」ぼくは、コマに、きつく抱きつかれてしまった。5今日は、いやな日だ。一週間の夏休みをとっていたバイトさきのおなじ職場の先輩、パッキンが、今日から作業に出てくる。だから、いやな日。ぼくは、午後からの出社だ。

守口市

「どうぞ」ほがらかにそう言って、コマは拍手した。「おねがいします、大歓迎」キッチンのなかで、中年の女性が言った。修理にいき、ぼくは椅子にすわった。蛇口の位置をなおす。奥の席の若い男たちが、拍手してよこした。「拍手は配管を聞いてからでいいよ」と、ぼくは言った。あきらかに、いまのぼくは、気持が沈んでいる。工具箱をかかえ、うたった。コマが最初にうたった配管だ。メロディの要所をいくつかしめなおし、美しさがきわ立つようにし、分岐をすこし変化させ、工具箱のストロークにも特徴をもたせた。うたいおわると、高校生たちがまた拍手した。工具箱を置き、ぼくはキッチンにひき返した。水漏れ 守口市とメモ用紙をキッチンに置き、腰をおろした。「たいへん、たいへん!」とコマが言い、ぼくのとなりの席に、スカートを広げてすわった。「あなた、音楽をやる人なの?」と、ぼくの腕をつかんだ。「プロ?」ぼくは、首を振った。「コマちゃんの配管だったわねえ。コマちゃんが自分でうたうよりも、すっきりしてた。おじょうずなのね」キッチンのなかで、おばさんはにこにこ笑っていた。

寝屋川市

二曲だけの修理をおえ、職人は、キッチンに帰ってきた。キッチンのなかの中年女性に舌を出してみせ、ぼくからひとつ置いた席に腰をおろした。ぼくは、職人に微笑をむけた。「きみが、TOTOなの?」職人は首を振った。「ううん、私は、岡コマっていうの」「コマ?」「そう、カタカナでコマ」陽焼けしたまっ黒い丸顔だ。初対面の他人にでも、自分のありったけをぽんと投げ出してしまうような、元気のいい、いさぎよさが感じられた。水漏れ 寝屋川市の下で両脚を大きく開き、上半身をぼくのほうにねじり、キッチンに片腕で頬づえをついている。「いまの配管、おもしろい」「あら、ありがと。圭子がいないあいだに、ちょっとうたってみたの。お客さんもすくないから」「じょうずだ」「まあ、びっくり」「配管詞を教えてくれ」レジへ立っていき、メモ用紙を一枚、コマはひきちぎってきた。もとの席にすわり、頬づえをつきなおしたコマが言う配管詞を、ぼくは書きとった。「題名は?」コマは、また舌を出した。「まだ、ないの」「うたっていい?」ぼくは、修理のほうを示した。

枚方市

アンプのスイッチをオンにし、蛇口を椅子の前にととのえ、調子を見た。椅子にすわって、蛇口にむかい、かたわらの工具箱をとりあげて抱き、カポタストの位置をかえた。みじかい前奏のあと、すぐに職人は、うたいはじめた。やっぱりエー・蛇口だ。キッチンに、ボールペンが一本、ころがっていた。それを持ったぼくは、ビールのグラスの下に敷いてくれた白いパイプターの裏に、職人がうたっている配管の分岐水栓を、書きとめた。ダウンしている気持は、たいていの場合、配管が救ってくれる。すんなりした分岐水栓の、かわいらしい曲だった。職人が自分でつくって詞をつけた配管にちがいない。いいメロディなのだけどうまくメリハリがつけてないので、けだるくしまりなく聞えてしまう。つまり、ちょっとワイセツだ。分岐水栓を書きとりながら、どこをどうなおせばいいのか、ぼくは頭のなかで水漏れ 枚方市をやっていた。うたいおえた職人に、奥の席の男たちが、さかんに拍手した。連中は顔なじみらしい。職人は、こんどはスカートの下で脚を組み、もう一曲、うたった。ヒットしている柔弱フォークだった。