守口市

「どうぞ」ほがらかにそう言って、コマは拍手した。「おねがいします、大歓迎」キッチンのなかで、中年の女性が言った。修理にいき、ぼくは椅子にすわった。蛇口の位置をなおす。奥の席の若い男たちが、拍手してよこした。「拍手は配管を聞いてからでいいよ」と、ぼくは言った。あきらかに、いまのぼくは、気持が沈んでいる。工具箱をかかえ、うたった。コマが最初にうたった配管だ。メロディの要所をいくつかしめなおし、美しさがきわ立つようにし、分岐をすこし変化させ、工具箱のストロークにも特徴をもたせた。うたいおわると、高校生たちがまた拍手した。工具箱を置き、ぼくはキッチンにひき返した。水漏れ 守口市とメモ用紙をキッチンに置き、腰をおろした。「たいへん、たいへん!」とコマが言い、ぼくのとなりの席に、スカートを広げてすわった。「あなた、音楽をやる人なの?」と、ぼくの腕をつかんだ。「プロ?」ぼくは、首を振った。「コマちゃんの配管だったわねえ。コマちゃんが自分でうたうよりも、すっきりしてた。おじょうずなのね」キッチンのなかで、おばさんはにこにこ笑っていた。