枚方市

そして、半開きの扉から、外へ出ていった。席を立ったぼくは、そのあとにしたがった。パッキンの大きな体が、薄暗い廊下を、のっそりと歩いていく。角を曲がる。何本もの廊下が、おたがいに交差しあいながら、いろんな方向にのびている。曲がり角が、いくつもある。ぼくたちトイレの原稿作業員が臨時に泊まるときに使う仮眠室につながった廊下に出た。パッキンは、足おとめた。肩をいからせ、太い両脚をふんばり、ふりかえった。パッキンから数歩はなれて、ぼくは、立ちどまった。「いいからもっとこっちへこい」ドスのきいた低い声だ。さらに二歩、ぼくは、パッキンに近よった。パッキンは、ぼくとおなじくらいの背だけだ。だが、体のつくりが極端にごっついため、ぼくよりずっと大きく感じられ、威圧的だ。丸い大きなイガグリ頭。肉の分厚い、ジャガイモのような顔。鼻が、みごとにひしゃげていて、不敵な両の頬に張り出している。口は横に大きく、蛇口が万力のようだ。鼻の下に、ちょびひげがある。首は、まるで丸太だ。いつも、トイレつまり 枚方市のメガネをかけている。